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古今東西の才人がいろいろなことを教えてくれる。

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栄養・運動・休息
健康の維持は生物の基本

石井 直方、岡田 隆

「5つのコツでカラダが変わる! 筋力トレーニング・メソッド」
一般トレーニーが知るべき事はこの一冊で十分なのではないだろうか。読み返すと毎回発見がある。

岡田 隆
「除脂肪メソッド」
健康的に体形のコントロールをしたいならこの本だけ理解すれば十分だと思う。高額な会員制ジムやコーチはほとんどの人には不要。

ヴァイバー・クリガン=リード
「サピエンス異変」
現代人の健康改善にすぐに役に立つハウツー本かつ、現在のさまざまな風習がどうしてそうなったのかを学べる。
興味深いエピソードとして例を出すと、世界中で行わてれいる義務教育は主に工場労働者の育成プログラムであり、今でもそれはほとんど変わっていない。なので、工場労働者の割合が少ない先進国では社会に適さない内容になってしまった。

津川 友介
「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」
健康に良い食べ物はこの5つ
①魚、②野菜と果物、③茶色い炭水化物、④オリーブオイル、⑤ナッツ類

鈴木祐
「最高の体調」
とても興味深い文章がたくさんある。一部を引用。

人間関係
・ヒトの認知リソースは大勢の友人をさばくようにはできていないため、1回につき5人前後としか親密な人間関係を築けない、というわけです。
・私たちの脳が、見知らぬ他人とうまく人間関係を作れるように設計されていないからです。第2章でも述べたように、人類は数百万年前から小さな集団のなかだけで生きてきました。まったくの他人と交流することは滅多になく、周囲には家族か顔見知りしか存在しません。

価値観
・「もしすでに使いきれないほどの金を手に入れ、理想の仕事につき、毎日が幸福感に満ち溢れていて、誰からも尊敬されていたとしたら、私はどのように行動するだろうか? 自分や他者との関わり方はどう変わるだろうか?」すべてが満ち足りた状態でもなお行動せずにはいられない物事こそが、あなたの心の底に眠る本当の価値観なのです。

ポール・ウエイド
「プリズナー・トレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ」
背筋のステップがなかなか進まない。逆に胸は簡単すぎる。日本人が胸が強くて背中が弱いという話は本当かもしれない。
ウエイトトレーニングを全身3パターン回した後に、このプリズナー・トレーニングを行っている。トレーニングのアクセントになっていい感じ。

歴史

ユヴァル・ノア・ハラリ
「サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福」

人間は、あれやこれやのはかない感情を経験したときではなく、自分の感情はすべて束の間のものであることを理解し、そうした感情を渇愛することをやめたときに初めて、苦しみから解放される。それが仏教で瞑想の修練を積む目的だ。湧き起こっては消えていくのを目の当たりにし、そうした感情を追い求めるのがいかに無意味かを悟るものとされている。感情の追求をやめると、心は緊張が解け、澄み渡り、満足する。喜びや怒り、退屈、情欲など、ありとあらゆる感情が現れては消えることを繰り返すが、特定の感情を渇愛するのをやめさえすれば、どんな感情もあるがままに受け容れられるようになる。ああだったかもしれない、こうだったかもしれないなどという空想をやめて、今この瞬間を生きることができるようになるのだ。 そうして得られた安らぎはとてつもなく深く、喜びの感情を必死で追い求めることに人生を費やしている人々には皆目見当もつかない。一生喜びの感情を追求するというのは、何十年も浜辺に立ち、「良い」波を腕に抱きかかえて崩れないようにしつつ、「悪い」波を押し返して近づけまいと奮闘するのに等しい。来る日も来る日も、人は浜辺に立ち、狂ったようにこの不毛な行ないを繰り返す。だがついに、砂の上に腰を下ろし、波が好きなように寄せては返すのに任せる。何と静穏なことだろう!

ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福」
(位置91/100%)

「ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来」
「21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考 」

バカみたいな感想になるけど、ものすごい本たちだと思う。
内容がありすぎてレビューに手を付けることができないでいる。
イスラエル国民でユダヤ人で同性愛者で仏教と瞑想を好む著者の考えはとても共感できるところが多い。オーディオブックでよく聞いています。

ジャレド・ダイアモンド
「銃・病原菌・鉄―1万3000年にわたる人類史の謎」
「文明崩壊」
「危機と人類」

科学

ヨルゲン・ランダース
「2052 今後40年のグローバル予測」

スティーヴン・ホーキング
「ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう」

哲学

マルクス・ガブリエル
「世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか」
専門用語が分からない部分も多かったが、理解できて面白いと思った部分は…

モラリティの資本主義(紙の本でp143)
地球環境保護のために環境保護的な消費者マインドをもっと利用しようというアイデア
・やる価値はあるが、世界にはその日暮らしの人もたくさんいるだろう事を考えると即効性は低そうだと思った

「人生のイメージ」を謳歌するようになった(紙の本でp205)
自分自身にはすごいと思えなくても、他人からすごいと思われればいい
・著者はこの考えを否定しているが、これには賛成。アメリカ人にこの傾向が強いとあるが本当だろうか。
・SNSで人生を謳歌してる風の写真をアップロードして承認欲求を得ることに快感を覚える事は理解は出来るが、自分も著者と同じように、自分がどう感じるかの方が重要なのであまり魅力を感じない。このような差は遺伝子によるのか経験からくるのか不思議だ。

岡本太郎
「自分の中に毒を持て」
「歓喜」すなわちドーパミン型幸福を求める芸術家らしい岡本太郎の主張の本。
個人の自由を重視する姿勢は20世紀初頭のパリの体験がベースになっているのかもしれない。
選択に迷ったら危険な方に進め!という行動原理は武士道を説いた葉隠と似ている。日本の軍国主義の影響なんだろうか?
当時の時代背景を考えながら読むと面白い。
「才能なんて関係ない、自身ををその状況に追い込むのが重要」とあるが、これは才能やチャンスに恵まれた人が良く主張する内容で、遺伝子や親の経済力の影響はとても大きいはず。(橘 玲「もっと言ってはいけない」「言ってはいけない―残酷すぎる真実―」)
ちなみにもう一つの幸福には「安らぎ」すなわちセロトニン型幸福がある。(岡本太郎はこれはあまり重要視していない)
できれば、この二つの幸福を両方楽しめる人生が良いんでしょうね。

「瞬間瞬間」はいい言葉。過去も未来も無い、今が重要なんだ。
ナレーションの声が渋い
歓喜のドーパミンと安らぎのセロトニン。どちらを好むかは個人差があるらしい。

ミヒャエル・エンデ
「モモ」
小学生の頃に読んで、時間を金に換えるコスパの悪さを知った。合わせて周りの大人たちが時間が無くいつも軽く怒っている理由を理解する。

岡田 斗司夫
「ぼくたちの洗脳社会」

セネカ
「人生の短さについて」

ハンター・S. フルガム
「試すな危険!冒険野郎ハンドブック―人喰いザメの生け捕りから時限爆弾の解除まで」

高村友也
「スモールハウス」

ブライアン・トレーシー
「カエルを食べてしまえ!」

経済

橘 玲
「上級国民/下級国民」
「もっと言ってはいけない」
「言ってはいけない―残酷すぎる真実―」
「新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ」

デービッド・アトキンソン
「国運の分岐点」
結論から書くと「日本は中小企業の経営者を優遇するのを止めるべき」という主張。

日本国の持続性、社会保障システムを守りたいなら、労働者の報酬を上げ税収を高める必要があるが、現状は生産性の低い中小企業が多すぎてそれが困難になっている。
中小企業への優遇政策のため、多くの経営者はそれを利用して個人の利益を追求しているので、日本の生産性が上がらない。生産性を上げるためには大企業を増やし、労働者の報酬を上げる必要がある。

まとめるとこんな感じでシンプルかつ理論整然としている。改革は難しそうだけど、背に腹は代えられない訳だから、おそらく既得権益者さえもが危機を感じ始めるギリギリのタイミングで改革は実行されるだろう。今後予想される太平洋側の大地震が起きてしまえば、実行されても国家破産や中国による支配が待っているかもしれないが。
一労働者からすると、これからますます重税国家になるのは確定で本当に気が重くなる。それと、経済理論のソースの提示があれば尚良かった。

内容とはあまり関係無いが、とても読み易かった。長い間日本経済について検討を重ねた結果だから、主張がまとまっているのもあるかもしれない。
著者はイギリス出身だが、日本についてはかなり詳しいので、今の日本社会という前提条件を共有しているのが大きそう。
外国人が書く本は前提条件を共有できない場合が多いので、内容を読み解くのが難しい事が多い。

文学

星 新一
「全ての作品」

1000篇を超える作品があり、驚くことに全てが面白い。

ダニエル・デフォー
「ロビンソン・クルーソー」
小学生の頃に読んで、こういうサバイバルライフにかなり憧れた。

石田ゆうすけ
「行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅」
タイトルがすごく良い。自転車旅行をする世界中の人は同じ思いを持っているのではないだろうか。旅行中の気持ちや出会った人についての細かい描写に文才を感じる。

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